希少種

午前中、論文仕事に区切りがついた。大学博物館に展示する希少種標本採集に協力することになっているのだが、午前中、一仕事終えて気分が楽になったので、博物館スタッフのKさんに「ベニオグラコウホネが見頃です。長靴を履いてきてください」と電話。いきなりの電話でゴメンなさい。KさんSさんと共に近所の生育地を見回る。
オグラコウホネは絶滅危惧Ⅱ類に指定されているものだが、大学近辺には変種で柱頭が赤いベニオグラコウホネが生育している。どの生育地も余りよい状態ではなくて、将来が心配なのだが、案内したのは例外的にいい状態で個体群が維持されている池だ。透明な水を通して、水中葉が数十平方メートルにわたって密生している場所も見つけて喜んだ。
ほかに、ベニオグラコウホネコウホネとの雑種と考えられているサイジョウコウホネや、コウホネトキソウ、ミクリ類等々、いろいろ確認できた。
今日、まわった生育地はいずれも何らかの人為が加わることで維持されているものだ。農業のあり方が変わりつつあるため、今の状態がいつまで続くかわからない。基本的には丈夫な植物たちなので、技術的には比較的簡単な方法で生育地の環境を好適に保つことは出来るはずだ。問題は、誰がどのように行うかと言うことだ。大学博物館の活動を通して、地元の小中学校の環境教育や自然保護団体(結構活発で意欲満々なものがある)とともにいい形で保全の活動ができないものだろうか。