イトモ発見!

昨日に引き続き、学生3名(メンバーK川、H江、Y島)が早朝からボートを浮かべてサンプリングをしているので、8時前に現場をのぞいてみた。
だんだん日も高くなってきて暑くなるのだが、場所を移動して作業は続く。池の底に生育する植物を調べるために、正式な名前は何というのだろう、要するに針金で作った碇状のものを池の端から投げ込み、ヒモで引き上げるという事を行った。
池の外からははっきり見えないのだが、引っかかってきた植物を見てびっくり。イトモがあるではないか!
イトモはヒルムシロ科の絶滅危惧種であるが、栄養器官だけでは、生育状態の悪い近縁種、例えばホソバミズヒキモなどと見分けが困難である。確実な同定は結実した状態でないと難しいのだが、実に花付きが悪いのだ。東広島市の2000個の池にも数十ヶ所あることになっているが、ほとんどの場所では結実は確認されていない。おそらく、その大部分はホソバミズキヒモの沈水葉を誤認したものと思われる。東広島市で私が実際に結実した状態のイトモを見たのはこれまで1ヶ所に限られている。
そういった植物が次々と碇にかかって引き上げられてくるのだ。もちろんちゃんとした結実状態で!これまで唯一結実した状態を確認した池では、水面近くをイトモが漂っていたのだが、今日の池では水面にはイトモの姿は全く見えないのだ。イトモに関しては何も期待をしていなかっただけに感激も大きかった。
しかし、水中深くでちゃんと結実しているこれらのイトモは、一体どうやって送受粉を行っているのだろうか?