EF 70-200 F2.8 L IS

 レンズと日々の描写という事なので、レンズのことも書いておこう。
 このレンズは評価が高いものである。キヤノンのいわゆる大三元ズームの1つだ。白い筒と先端の赤いハチマキ、ズームリングとフォーカスリングの黒い処理、いかにもよく写りそうな、なかなか立派なルックスである。しかし、完璧なレンズかというとそうでもない。確かに、中・遠距離の被写体に対しては問題の無い描写をする。廉価版のズームとは異なる、明らかにワンランク上の写りである。パソコンモニター上でピクセル等倍で見ると、廉価版ズームでは墨絵のような細部の潰れた描写になる事が多いが、このレンズではすっきりとして精密な描写、ヌケの良い描写とはこういうことかという写真が得られる。
 ISも強力である。ファインダー内のイメージはきっちりと停止し、1/100が切れれば、すべての焦点距離で手ぶれの心配はないだろう。もっと言えば1/30ぐらいでも大丈夫かも。
 しかし、近距離における描写は??である。近距離の被写体でアウトフォーカスの部分の、色がついて滲んだようなボケは目障りであるし、ピントが来ているところのシャープさにも欠ける。この辺りの描写の頼りなさは廉価版ズーム以下である。近距離では全く使えない。まあ、マクロレンズを使えという事だろう。しかし、マクロレンズとはいわないものの、記録用にそこそこ使える描写をするズームも中にはあるのです。そのようなズームレンズについてはまたいずれ。