帰ってきた

5泊6日の出張から帰ってきた。新潟で行われた日本生態学会だ。
毎年の事ながら、期間の長さと内容の濃さ、連日の夜のビジネスミーティング(?)に心地よく疲れる学会であって、帰ってきてしばらくすると本格的な春となり、フィールドシーズンが始まるのである。
今年も、新たな知見があった。近い将来の共同研究の話し合いも複数個。もちろんそれらがすべて予定通り進展するわけではないのだが、どれも、普通に進めていればかなり面白い展開となるだろう。
今年は、T大学博士課程のAさんと我が研究室の博士課程のTさんが研究集会のためのファンドを獲得して海外から活発な研究者を呼び、また、国内の有力な方々を担ぎ上げ、サテライト集会とEAFESのシンポジウムを企画していた。元気で、よくやります、この二人。パチパチ。
サテライト集会(種子散布研究会とEAFESの共同シンポ)は3月24日(金)に、「動植物の生物間相互作用研究の将来展望—花粉媒介と種子散布をつなぐ」ということで行われた。研究室のメンバーは、M木君が「体表付着花粉の遺伝解析でホオノキ訪花昆虫の送粉効率を評価する」をT川さんが「サルの糞に含まれるヤマモモ種子の母樹多様性−マイクロサテライトマーカーによる種子の母性解析」を発表した。
EAFESシンポジウムの方は、3月26日(日)にA new perspective for the study on plant-animal interactions --Toward a linkage between pollination and seed dispersal--
ということで行われた。一人あたり20分ばかりの英語のプレゼンテーションだが、我が人生において最も準備時間の短い英語プレゼンテーションだった。というわけで、前日の夜は町をうろうろしないで(外で食べていると知り合いに出会い、飲んでしまうため)、ホテルの一室にこもったまま準備をした。有り難きかなパワーポイント。また、LANも自由に使えたため、いろいろな資料をダウンロードして仕上げが出来たことも有り難い。演題は、
Determination of pollen and seed dispersal by analyzing leaf and seed coat samples of Aesculus turbinata
というものだったが、タイトル以外の内容も組み込んで、コペルニクスの出てくるギャグ(せっかくホテルの一室で画像をダウンロードして準備したのに、はずしてしまった)をのぞけば、良い内容だったとコメントをもらった。
ポスターは3名の学生が発表を行ったけど、そのうちK子君は「AFLP による絶滅危惧種ヒゴタイの野生集団および栽培集団の遺伝解析」という演題で発表して優秀賞を獲得。


会場の朱鷺メッセ



意外な人がこのブログを読んでいるということが判明したのだけれども、食べ物の評判がよろしいようでありまして、この写真。新潟には旨いそば屋が多い。