ミズニラ

湿地に生える変わったシダ植物でミズニラというものがある。この仲間には、ミズニラ以外に、シナミズニラ、ミズニラモドキなどがあるけれども、いずれも珍しいものだ。ミズニラは絶滅危惧Ⅱ類という扱いとなっている。
研究室の近くにもいくつか生育地があるが、里山の管理放棄によって森林遷移が進み、ミズニラにとって住みにくい状況となりつつある。
ボランティアで柴刈りとかをしても良いという方があるので、事前に現地を訪れてみた。台風で木が倒れたせいか、昨年よりは明るくなっていたが、やはり柴刈りは必要なようである。ヨシの生育も気になる。少し整理した方がいいだろう。
肝心のミズニラだが、昨年まで生育していたところの個体数はやや減少したようだが、数メートル離れたところに新たな個体群が見つかった。ただ、シカやイノシシの踏み跡が沢山あって、これがいささか気にかかる。
水が保たれているところには沢山のメダカがいた。ミズオオバコも見つけることができた。ミズオオバコ絶滅危惧種にはなっていないけれども、それほど多いものではない。研究室の周りでは数カ所で生育しているのみだ。美しい植物だ。新たな生育地を見つけるたびに嬉しくなってしまう。
絶滅危惧種のミクリとマルバオモダカの新たな生育地も見つけた。なかなか盛りだくさんな一時でありました。めでたし。