マダケが一斉開花?

2,3日前から新聞社からの電話問い合わせが続いている。琵琶湖に注ぎ込む河川沿いに生育しているマダケが広い面積にわたって開花し、枯死しているという。日本に生育するマダケは遺伝的多様性が低く、1960年代に全国的に一斉開花枯死した。マダケの開花周期はタケ類の中では最も長く、120年と言われているので、今回本当に開花枯死したとすると、40年程度で開花したことになる。120年といわれる開花周期は古い文献をもとに推定されてものであるが、40年という周期もあるのだろうか。それとも、琵琶湖畔に生育するものは系統が違い、1960年代には開花しなかったのだろうか。うう、これは、現地を訪れてサンプルをとってくる価値があるかも。かつて、タケ群落に通って調査を行った者としては興味を押さえることができません。
 と、興奮していたのだが、メールで送られてきた写真を見ると、ちょっと様子が違う。テング巣病にも見えなくもない。京都在住のタケ専門家W辺さんもテングス病との見立てとの事。ちょっとがっかりだけど、しかし、テングス病としたら症状は非常に激しいものだ。マダケのテングス病自体はそんなに珍しいものではないが、群落全体、あるいは流域のマダケ全体が罹病し、枯れる勢いというのは見たことがない。遺伝的多様性の低い日本のマダケに流行するのではないかとちょっと心配だ。