資源植物学

この講義は被子植物の進化や多様性について説明しようと思っている。しかし、色々な概念を言葉でしゃべっても、どれ位イメージとして伝わっているのだろうと思う事も多い。例えば、花やシュートの形を思い浮かべつつ説明をしても、そういった具体的な形が学生の頭の中で展開されているとは限らないのだ。特に、野山で草むしりや昆虫採集などの経験が希薄な学生にとって、そのようなイメージを持つのは困難なのかもしれない。そういえば、昨日あった別の講義だが、2年生の学生が「チョウが昆虫だと言う事を今日はじめて知りました!」なんてことを、コメントシートに書いてきてたなぁ。
 さて、そういうわけで、今日の資源植物学の講義は、種の多様性や種分化をイメージとしてつかんでもらうために野外に出た。種の多様性を感じるためにはいろいろな方法があると思うが、その1つは近縁種を複数比較する事だろう。同じ属の種を複数見てその共通点と差異を知るのは楽しい事である。ちょうど、大学の周りはスミレの花盛りである。講義を取っている6名とプラスアルファで合計12名、3台の車で出かけた。タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、シハイスミレ、ヒメスミレ、スミレ、アケボノスミレを見ることが出来た。特に、最後にみたスミレとアケボノスミレの群落は紫と白の花が混在して、感動的だった。種分化、ポリネーション、里山管理、雑種などについて話しながら、いい一時がもてた。
 実は、最後の見事な群落は昨日見つけてたのだが、ぜひ、アオリのできるレンズで撮影をしようと思い、今日はCanon TS24mmを久しぶりにカメラにつけて訪れたのだ。その結果は、期待以上で、近距離から遠景まですべてフォーカスが合ったクリアな画像で、群落の様子を記録する事が出来た。詳しくはいずれ[レンズ]の項で。