生物の分布と系統

現在私たちが目にすることができる生きている生物の由来を考えるときに、私たちにできることは、現在の分布パターンの調査と、分子情報などを基にした各分類群間の系統関係の推定である。この2種類の情報から、現存する生物の種分化と分布の変遷を推定しなければならない。異所的に種分化が起こり、それぞれがそのまま異なった場所に生育している場合はよいが、実際には、生物は、種分化した場所から分布を拡大したり、絶滅したりという様々なプロセスを経て現在の分布パターンがある。この様な状況(たいていの分類群はそうなっているはずだ)を単純化する解析方法はいくつか考えられている。今、故あって調べているのがそのうちの一つであるThree Area Statementsというものである。