JR西日本

先日、NHKの番組「プロフェッショナル」で鉄道ダイヤ改正を行っている通称「スジ屋」のサラリーマンが取り上げられていた。

東京の地下鉄のダイヤを複雑な運行条件をクリアさせながら作成するとう職業だ。ラッシュ時の駅でどのように人が流れているのか、すべての列車に乗り、駅のプラットフォームで観察し、よりよいダイヤを作成してゆく姿は素晴らしかった。また、臨時列車のダイヤを組む時には、どうしても列車が駅で客を乗せたまま待機する時間が生じるのだが、その時間をいかに短くするか、身を削るようにして工夫を重ね、良いダイヤを作成していた。

素晴らしい。

さて、よく使うJR西日本だけれども、こういう人はいないものかなあ?とくに地方のダイヤ。これはあんまりだよ、ということが多い。

例えば、この週末の経験ですが、、、

JRには世界に誇れる新幹線という財産がある。一番早い「のぞみ」は1時間に数本運行されていて、そのおかげで、いつ新幹線駅についても、少し待てば最速の新幹線で旅行することができる。「のぞみ」は早いけれども、それと引き換えに、停車駅は少ない。西日本でいえば各都道府県に1か所といったところだ。

ただし、「のぞみ」には、最速のもの以外にも、もう少し停車駅の多いものがあり、都道府県第二の都市を訪れるときにはそれを利用したくなる。

例えば、広島県では広島駅にはすべての「のぞみ」が停車するが、福山には「のぞみ」は1時間に1本だけ停車するものがある。当然、福山に行くときには、これを利用するわけである。

京都駅19:52発の「のぞみ」は、福山駅に21:14分に到着する。

さて、1時間に1本しか止まらない「のぞみ」から降りて、在来線に乗り換えるのだけれども、皆さんがスジ屋だったらどのようなダイヤを組みますか?地方の在来線は乗客が少ないので、それほど頻繁に列車を通すわけにはいかないでしょう。これはダイヤを組む上では、比較的高い自由度をもたらすのではと思えます。そのような条件のもとで、何に合わせて在来線列車の発着時間を決めますか?

「のぞみ」という世界に誇る高速鉄道があり、一時間に一度だけ停まるのです。この条件を利用しない手はないでしょう。ほかの都市から高速鉄道でやってきた乗客がスムーズに在来線を利用できるようにしますよねえ。近場で在来線だけを利用している乗客にとっては、1時間当たりの運行頻度が重要なわけで、発着時間が何時何分ということはあまり重要ではないでしょう。

そういうわけで、ダイヤは1時間に1本しかやってこない貴重な「のぞみ」の到着時刻に合わせて、在来線のダイヤを決めるのがいいのでは、とおもいますよね。ところが、21:13分に福山駅について広島方面に向かう在来線の時刻をみると、
20分後に
21:33 広島方面連絡 糸崎 行き
というのがあって、更に17分後に(この時間ちょっと覚えておいてください)
21:50広島方面連絡 三原 行き
という列車がある、といった塩梅です。「のぞみ」を活用して、乗客に便利に移動してもらおうという積極的な発想はないみたいですね。

でも、まあ20分待ちなら、良くはないけど、それほど目くじらを立てるほどでもないか。というわけで、「21:33 発 糸崎行き」に乗るわけです(ほかに選択肢は無いのですが、、)。

福山21:33 発の列車は、終点の糸崎駅に30分ほどで到着します。糸崎駅では同じプラットフォームの反対側に、広島行きの列車が待っていて、乗り込むとすぐに1〜2分で発車します。これはグッドです。

糸崎駅を出た列車はすぐに次の駅、三原に到着するのですが、なんとここで、18分停車するのです!?!?

複線の山陽本線で、広島県内でも有数の都市、三原市で、乗客を乗せたまま、列車は18分停車するのです。乗客の中には、わざわざ1時間に1本しかない福山駅で停車する「のぞみ」を利用してやってきたものもおるのですぞ。

まったくもって不条理の世界である。JR西日本のダイヤ。

そして、更に驚くのは、長ーい待ち時間も終わりにさしかかった頃(一度動いた列車が次の駅で18分停車しているというのは、本当に長い時間なのである)、福山方面からやってくる列車があるのですが、それが、あなた、あの福山駅の電光掲示板で見た
「21:50広島方面連絡 三原」
という列車なのですよ!

は〜〜あ(ため息)。

これには、まったくずっこけてしまう。

以上、ちょっとややこしくなったので、まとめましょう。

1時間に1本しかない福山駅に停車するのぞみに乗ってやってきた乗客がいます。
福山駅に21:13分到着して在来線に乗り換え広島方面に行く場合(三原を通り過ぎるという場合ですが)、20分後の21:33に発車する列車に乗っても意味は無く、21:50分に発車する列車に乗らないといけないのである。

これが、単線でごく少数の列車しか発着しない駅でのことならあきらめもつくが、広島県第二の都市、福山市での状況なのです。

一体どういうダイヤ編成なのでしょうか。

「のぞみ」という財産を持っていながら、活かし切っていない、どうしようもないダイヤだと思うのですが、こういうダイヤにしなければならない、きつい制約条件が有るのでしょうかねえ?

それとも、乗客をわざわざ不愉快にするための嫌がらせ?「乗客数減少キャンペーン」でもやっているんでしょうかね?ホント、他に気のきいた交通機関があればそれを利用したいのだけれども、ないんだよね。

ちなみに、JR九州では「のぞみ」と在来線の連絡は実に見事である。どうして「西日本」にはできないのかなあ。ここ数年、ダイヤ編成が何度か変わったけど、いつも、何とかならんか?といった思いを抱かせるものだ。

研究室で作業中

昨日に続いて今日も雨模様。昨日の雨は明るい曇り空で、もうじきやってくる春を思わせるものだったけど、今日は暗い空。しとしとと降っている。
研究室にこもって、締切の迫ってきた申請書を作成中。この様な天気の方がソワソワしなくて良いのかも。こういう申請書は、書く前は、さてどの様になるものやらと感じるのだが、書いているとだんだんのってきて、気の利いたフレーズも思いつくようになる。ちょうど、濃霧が晴れてきて、隠れていたいろいろな景色が見えてくるように。

会議の一日

phyllos2010-02-07

ほとんど無人状態の九大キャンパスにて、Yさんの招集した関係者一同が9時30分に集合。
会議の一日。参加者という気楽な立場だけれど、2日前からの別作業やシンポジウムの興奮もあって疲れた。帰りの新幹線では、チェックすべき論文原稿を見ることもなく寝てしまったが、有意義な週末だった。
少し前に結構愛読した教科書"Ecological Genetics"の著者Loweと会えたのも良かった。今年中に、一緒にフィールドに行く約束もしたけれども、さて、実現するかな。

シンポジウム

phyllos2010-02-06

朝の9時30分より夕方5時までシンポジウム。一人あたり30分の発表。どれも粒よりの発表で、大変おもしろかった。これからはこの様な研究成果を当然のインフラとして進んでゆくのかと圧倒されるようなものや、とても驚いた適応度の話など、あっという間に時間が過ぎた。
あ〜面白かった、ですめばよいのだが、そうはいかなくて、明日の話し合いのために、ちょっとした宿題も出た。今は懇親会から帰ってきたところで眠いんだよね〜。

原稿検討

phyllos2010-02-05

明日からの国際シンポジウムに参加するために博多にやってきた。
今日は移動日だけれども、早めに博多について、本の原稿について東北大のSさんと打ち合わせ。先日の地下牢のようなすばらしい場所はないので、航空券+ホテル付きのパックツアーでSさんが宿泊しているホテルのロビーで検討をした。パックツアーのホテルってゴージャスなんだよね。
Chapterは九つある。こうして顔をつきあわせて検討すると、いい本になるような気がしてきた。

締切の数々

phyllos2010-02-04

この季節は、どなたもこなたも締切に追われている印象。修士論文卒業論文の原稿も続々とやってくる。中には、投稿論文の形になったものもあり、これまた、成果がちゃんと世に出るように、なるべく早く目を通さなければならない。

その他、本日あった事と言えば、某県の希少種保全研究に関する打ち合わせ。新たなプロジェクトの構成も考える。昼下がりの専攻会議では全く想定外であった学科長に選ばれる。数々の雑用、段取りをしないといけない役なのだけれども、まだまだ先の事と思っていたので、立ち振る舞いを観察していなかったよ。新入生のオリエンテーションや歓迎会等々、どんな感じで進行していたっけなあ〜、と思っていたら、来年度あたり、当たりそうでヤバイと学科長が送信したメールをすべて捨てずに集めていたというN先生よりメール一式を頂く。

片付けなければならない査読もあるけど、これはしばらく堪忍してもらおう。先週末の会議の評価書も書かないといけないけれども、これもしばらく待っていてもらおう。等々、いろいろな不義理の原因となっていた原稿を夕方に仕上げ、英文校閲に出した。ああ、さっぱりした。

次は、この週末に行われる九大のGCOEシンポジウムの発表準備だ。シンポジウムの内容は以下の通り。参加者が魅力的で、楽しみだ。

INTERNATIONAL SYMPOSIUM
Toward Developing Global Genetic Diversity Assessments

This symposium is held in connection with a workshop on February 7, 2010. Before discussing about concepts and implementation plans of the global genetic diversity assessment on the next day, the symposium will provide participants of the workshop an opportunity for exchanging knowledge and ideas resulted from recent advance in population genetics, conservation genetics, phylogenetics, and evolutionary genomics.

Although scientists of such wide areas are invited, participants are biased to plant scientists. This is partly because genetic diversity assessments in forest plants are urgently needed under the rapid loss of forest vegetation, particularly in tropics.

Fish scientists are also invited because the rapid loss of fish diversity and fish biomass is threatening the sustainability of services supplied from freshwater and marine ecosystems.

The symposium and workshop are sponsored by the Global Center of Excellence Program “Asian Conservation Ecology as a Basis for Symbiotic Society” of Kyushu University and the University of Tokyo under the support of JSPS.

Program

Overview
9:30-10:00 Dr. Daniel Faith (Australian National Museum) Concepts and implementation plans of GEO BON genetic diversity assessment
10:00-10:30 Professor Tetsukazu Yahara (Kyushu University) Genetic diversity assessments in the century of genome
10:30-11:00 Professor Andrew Lowe (University of Adelaide) How do plants survive and adapt to anthropomorphized landscapes?

Evolutionary genomics
11:10-11:40 Shinichi Morinaga (University of Tokyo) Evolutionary genomics of a wild species of Arabidopsis
11:40-12:10 Professor Gane Ka-Shu Wong (University of Alberta)
1000 Plant EST project

Conservation genetics
13:10-13:40 Ryo Osawa (Tsukuba University) Conservation genetics of Primula sieboldii
13:40-14:10 Yuji Isagi (Kyoto University) Ubiquitous genotyping of threatened plants
14:10-14:40 Hitoshi Araki (Eawag, Swiss Federal Institute of Aquatic Science and Technology) Conservation genetics of fish

Population genetics
15:00-15:30 Yoshihisa Suyama (Tohoku University) Utility of single pollen genotyping
15:30-16:00 Alfred Szmidt (Kyushu University) Population genetics of tropical trees
16:00-16:30 Hidenori Tachida (Kyushu University) Population genetics of trees and fish

Phylogenetics and genomics
16:30-17:00 Mutsumi Nishida (University of Tokyo) Phylogenetics and genomics of fish